飼い主からの相談やSNSの飼育コミュニティで頻繁に見られるのが、「頻尿なのか、単なるマーキングなのか判断がつかない」という悩みです。
散歩中に何度も足を上げて少量ずつ尿をかけるマーキングは、縄張り主張や情報伝達を目的とした正常な本能行動です。しかし、以下のような行動パターンの差異を冷静に見極める必要があります。
・マーキングの特徴:散歩中や特定の電柱・壁に向かって行う。足取りは軽く、排尿後も軽快に歩き出す。室内では特定の場所や新しい家具などに行うことが多い。
・病的な頻尿の特徴:散歩中だけでなく室内でもそわそわして落ち着きがない。排尿姿勢をとる時間が長く、踏ん張っても出ない。排尿後に陰部を気にしたり、元気消失や食欲不振を伴う。
「うちの子はマーキング癖があるから」と思い込んでいたところ、実際は重度の膀胱炎で残尿感に苦しんでいたというケースは動物病院の現場でも後を絶ちません。行動の文脈と愛犬の表情・全身状態を観察することが、病変の見落としを防ぐ防波堤となります。