どれほど強烈なシュートを放てても、故障でコートを去っては意味がない。投球過多によるインピンジメント症候群や腱板断裂を防ぐため、肩関節回旋筋腱板(ローテーターカフ)のコンディショニングは現代トレーニングの最優先事項だ。
日本ハンドボール協会の育成指針でも、過度な投げ込みの制限とともに、チューブを用いたインナーマッスルの強化や肩甲骨周囲の可動域確保が強く推奨されている。特に棘下筋や小円筋といった肩後面の筋肉は、強烈な腕の振りに急ブレーキをかける「減速筋」として不可欠な役割を果たす。投げる筋肉(アクセル)ばかりを鍛えるのではなく、止める筋肉(ブレーキ)を整えること。このバランスが整って初めて、選手は全力で腕を振り抜くことができる。