夜7時、京成成田駅から成田山新勝寺へと続く参道沿いは、昼間のにぎやかさとは一変し、しっとりとした情緒を醸し出す。暗がりの中にぽつりと灯る赤ちょうちん。引き戸を開けると、醤油と昆布、鰹節が複雑に絡み合った濃厚な出汁の湯気が一気に押し寄せてくる。
「羽田でもなく、都心でもなく、あえて成田で途中下車する価値がある」。SNSを中心に広まったこの口コミが、2026年の成田夜グルメブームの火付け役となった。空港直通というアクセスの良さに加え、昭和レトロな横丁文化が奇跡的に残る街並みが、本物の体験を求める現代人の心をつかんで離さない。