強力な抗酸化作用を持ち、アンチエイジングや生活習慣病の対策として称賛されてきたリコピン。だが、どんなに優れた機能性成分であっても、許容量を超えれば体にとっては異物同然の負荷となる。栄養学の最新知見によれば、リコピンを短期間に極端に過剰摂取し続けると、肝臓での代謝が追いつかず、皮膚が黄色やオレンジ色に変色する「柑皮症(リコピン血症)」を引き起こすケースが報告されている。
さらに深刻なのが、トマトに含まれる有機酸の一種であるシュウ酸の存在だ。シュウ酸は腸内でカルシウムと結合し、不溶性の結晶をつくる性質を持つ。通常量であれば便とともに排出されるが、過剰に体内に取り込まれると腎臓へと流れ込み、鋭利な結晶となって尿管を傷つける。予防医学の専門家たちは、「良薬口に苦しというが、美味でヘルシーなトマトだからこそ無意識の過剰摂取が起きやすい」と警鐘を鳴らしている。