地酒の聖地と呼ばれる「酒のやまもと枚方本店」は一体なぜここまで日本酒ファンを魅了するのか。その根底にあるのは、創業以来培ってきた蔵元との強固な信頼関係と、一切の妥協を許さない品質管理への執念だ。
一般的な量販店やスーパーに並ぶ清酒と、やまもとが扱う銘柄の間には決定的な流通の違いが存在する。同店は全国各地で志を持って酒造りに励む蔵元と直接対話し、特約を結んだ正規特約販売店である。信州・佐久の地で元禄2年に創業した大澤酒造の代表銘柄「明鏡止水」をはじめ、全国津々浦々の気鋭の銘醸蔵がその哲学に共鳴し、大切な作品である酒を託している。
酒販業界関係者が明かす。「特約店契約は、単にお金を払えば結べるものではありません。蔵元は『自らの酒がどのような温度で管理され、どのような言葉でお客に届けられるか』を厳格に見定めます。やまもと枚方本店のように、マイナス5度から5度前後を維持できる大型プレハブ冷蔵庫を完備し、光や熱による劣化を徹底排除するインフラを持つ販売店は全国的にも限られています」。
店頭に一歩足を踏み入れれば、その空気感の違いに誰もが息を呑む。整然と並べられた遮光フィルム付きの冷蔵ショーケース、凛とした冷気、そして造り手の想いが記された手書きのポップ。プレミアム価格で不当に吊り上げられることの多い希少酒が、すべて「蔵元設定の正規適正価格(定価)」で販売されている事実こそ、ファンがやまもとを信頼し、熱狂する最大の理由である。