理事長交代をめぐる報道を見る際、多くの一般読者が誤解しがちなポイントが「役員選挙の仕組み」と「定年制度(年齢制限)」のリアルな運用実態です。
相撲協会の理事長は、ファン投票や全親方による直接投票で選出されるわけではありません。まず、年寄名跡を持つ親方衆による投票で10名の親方理事(および外部理事3名)が選ばれ、その理事会内部の「互選」によって理事長が決定されます。つまり、どれほど世論の支持が高くても、10名の理事枠に入り、さらにその理事たちの過半数を抑えなければ理事長には就任できません。
また、理事長の定年問題も見落とせないポイントです。相撲協会の定年は満65歳。再雇用制度によって70歳まで「参与」として協会に残ることは可能ですが、参与は役職(理事や審判委員など)に就く権限を持ちません。八角理事長が自身の退任時期をどう設定するか、そして後継候補の年齢が定年まで何年残されているかが、政権交代のタイミングを左右する決定的な変数となっています。