全国の飲食店でメニューを開くと、「レゲエパンチ」「ピーチウーロン」「クーニャン」など様々な表記を見かけます。これらは別々のレシピなのか、それとも同じものなのか、注文時に迷った経験を持つ方も少なくないでしょう。
結論から言うと、使われている材料や中身は基本的にすべて同じ「ピーチリキュール+烏龍茶」です。決定的な違いは、カクテルの「呼び名」と「地域文化」にあります。
仙台発祥のオリジナル名称が「レゲエパンチ」であるのに対し、全国の大手居酒屋チェーンなどに普及する過程で、中身が誰にでも直感的に伝わるよう一般名称化されたものが「ピーチウーロン」です。また、関西方面ではフランス語の桃(Pêche)を取り入れた「ペシェウーロン」と呼ばれるケースも多く見られます。
さらに興味深いのが、北海道における呼び名です。北海道の居酒屋では、このカクテルを「クーニャン」と呼びます。中国語で「少女・若い娘」を意味する「姑娘(クーニャン)」から名付けられたとされており、烏龍茶(中国茶)と甘く可憐なピーチのイメージを重ね合わせた北海道ならではのローカルカルチャーとして定着しています。鹿児島や九州の一部では「チャイナキッス」と呼ばれるなど、地域ごとに独自の進化を遂げた極めて珍しいカクテルといえます。