多くの利用者が抱く「ライフジャケットを着ているから落水しても大丈夫」という認識こそが、最大の盲点である。遠心力を利用して急旋回する際、乗客の身体にかかる重力加速度は想像を絶する。落水時の体勢によっては首や腰への強い衝撃を避けられず、最悪の場合は意識障害を起こして窒息する危険すら孕む。
事故が起きた際の法的かつ道義的な責任の所在は、きわめて複雑だ。けん引する側の過失か、乗客の合意に基づく自己責任か。過去の裁判例でも「操縦者の無謀な旋回行動」と「乗客の安全配慮義務」の双方から厳密な審理が行われており、体験前に免責同意書へサインしたからといって事業者が全責任を免れるわけではない。