「急に感情の起伏が激しくなった」「理由のわからないこだわりが増えた」。4歳を迎えた途端に押し寄せる我が子の変貌に、困惑しない親はいない。なぜこれほどまでに、唐突な変化が訪れるのだろうか。発達心理学の視点から紐解くと、この「わがまま」の急増は意地悪や反抗ではなく、むしろ高次な認知能力が急激に芽生えたことによる混乱の表れである。
3歳までの子どもは、自分の世界と他者の世界を明確に区別していない。しかし4歳前後になると、「自分がやりたいこと」「目の前の現実」、そして「他人の存在や都合」という3つの要素が頭の中で同時に理解できるようになる。やりたいイメージは頭の中に鮮明にあるのに、指先の器用さや言葉の表現力が追いつかない。あるいは、自分の思い通りにならない現実と直面したとき、それをどう処理していいか分からない。この理想と現実の巨大なギャップが、凄まじい苛立ちとなって爆発するのだ。