ここ数年、日本のSNSで最も交わされる美容ワードの一つが「中顔面(ちゅうがんめん)」だ。目元から口元までの距離が短いことが、若々しさや洗練された印象を与える鍵とされている。横顔の美しさを示す「Eライン」の重要性は相変わらず高いものの、スマートフォンのインカメラで自撮りをする機会が増えた現代人にとって、正面から見た際の間伸び感のなさが最優先事項となった。
この中顔面短縮へのこだわりは、メイク技術の劇的な進化も促した。人中(鼻の下の溝)を短く見せるリップメイクや、下まぶたのメイクで目の位置を低く見せる錯視テクニックが、いまや日常のスタンダードだ。パーツそのものの形を変えるのではなく、配置の錯覚を利用して全体のバランスを整える知恵が共有されている。