斎藤元彦氏を語る上で避けて通れないのが、神戸の地場産業を支えた祖父・斎藤励二氏の存在だ。戦後の復興期から高度経済成長期にかけて、ケミカルシューズ産業は神戸の経済を牽引する巨大な柱であった。その中心で業界をまとめ上げ、日本ケミカルシューズ工業組合の発展にも寄与した人物こそが祖父であった。
地元経済界に深く根を張った創業一族の血筋は、幼少期の彼に大きな影響を与えたとされる。名士として名を馳せた一族の影と、ものづくりに邁進する職人たちの熱気。そうした環境で育ったことが、彼の合理性を重視する経営感覚や行政手腕のベースになったと指摘する声は多い。