この歴史的な転換期を、不動産業界も固唾をのんで見守っている。都市部の駅近くや住宅好立地に位置する宿舎の跡地は、民間デベロッパーにとって喉から手が出るほど欲しい希少な用地だからだ。
国土交通省などが推進する住宅政策や都市再開発の文脈においても、これらの跡地売却はまちづくりの方向性を左右する重要なピースとなる。タワーマンションの建設や複合商業施設の開発が進む一方で、周辺の地価や家賃相場の上昇を引き起こす一因にもなっている。公的な資産が民間に流出することで地域経済が活性化する一方、かつての居住者であった公務員自身がそのエリアの家賃上昇によって住みづらくなるという皮肉な現象も散見される。