焼き上がったサザエを前にして、「フタが硬くて開かない」「肝が途中でちぎれて殻の奥に残ってしまった」という経験を持つ人は多い。貝類特有の構造を知っていれば、道具を使って誰でも簡単かつ綺麗に中身を取り出すことができる。
まずサザエ ふたの開け方について。加熱が成功していればフタ(フタ状の石灰質)の筋肉は弛緩している。フタと殻の境目にペティナイフやフォークの先を差し込み、テコの原理で外側へ持ち上げると、貝柱からペリッと剥がれるように外れる。
続いて重要なのがサザエ 肝の取り出し方だ。サザエの身は殻の螺旋(らせん)構造に沿って奥深く巻き付いている。無理にまっすぐ引っ張ると、最もデリケートな肝の付け根でプツンとちぎれてしまう。
【肝を途中でちぎらず一気に引き抜くコツ】
1. フタを外した後の身の先端に、竹串やフォークを深めに刺す。
2. 身をまっすぐ引くのではなく、殻の巻き貝のカーブに沿って「反時計回り(左回り)」に殻を回しながらゆっくり引き抜く。
3. 途中で引っかかりを感じたら、殻の底を軽くトントンと叩くと、奥の空気が抜けて螺旋状の肝が丸ごとつるんと出てくる。
なお、取り出した肝の先端部分にある渦巻きは、緑色ならメス(濃厚でコクがある)、白色・クリーム色ならオス(滑らかで上品な味)である。どちらも加熱調理すれば極上の珍味として美味しく味わえる。ただし、身と肝の間にある灰褐色の「砂袋(海藻や砂が混ざる部位)」はジャリジャリとした舌触りの原因になるため、気になる場合は包丁で削ぎ落としておくと完璧だ。