土俵を去った後、彼は九重親方として後進の指導に情熱を注いだ。九重部屋の弟子たちに対しても、安易に体重を増やすことだけを求めず、徹底した基礎稽古と筋力トレーニングの重要性を説き続けた。大関・千代大海をはじめとする多くの関取を育て上げ、部屋の伝統を確固たるものにした手腕は、指導者としても一流であった証左だ。
一方で、その独自の美意識とストイックな遺伝子は、カルチャーシーンにも受け継がれている。実娘であるモデルの秋元梢氏が見せる唯一無二の存在感や骨格の美しさは、ファッション界において世界的な評価を獲得している。彼女が放つ芯の強さと凛とした佇まいには、大横綱として時代を駆け抜けた父・千代の富士の気迫が色濃く重なる。
相撲という伝統芸能の枠に収まらず、ライフスタイルや身体美のアイコンとして今なお語り継がれる背景には、家族や弟子たちを通じて現代に息づくウルフの強烈なアイデンティティがある。