ハードウェアが単機能の美学を追求する一方で、教育テクノロジー(EdTech)の領域ではゲーミフィケーションを融合させたソフトウェアが独自の進化を遂げている。
App StoreやGoogle Playで圧倒的な支持を集め続ける「Forest (集中アプリ)」は、その筆頭格だ。タイマーをセットしてスマホを放置すると、画面の中で小さな種が木へと育つ。途中で別のアプリを開けば、木は無残に枯れてしまう。この「育てたい・枯らしたくない」という原始的な損失回避バイアスが、スマホ依存の指先を強力に押し留める。
デジタルタイマーの真価は、個人の内省からソーシャルな連帯へと拡張された点にある。世界中のユーザーが植樹した森の総面積を眺め、見知らぬ他者と時間単位で同期する感覚。孤独な自習室に閉じこもる時代は終わり、タイマーは他者と集中を共有するためのハブへと進化した。