一人の男性ボーカルと複数の妻たちが、ステージ上でリアルな愛の駆け引きやイチャつきを演じながら多重コーラスを響かせる――2014年の結成当時、その規格外なアートフォームはアイドル界に巨大な衝撃をもたらしました。プロジェクトの中枢である清竜人は、10代でデビューし数々の音楽賞を獲得してきた孤高の天才シンガーソングライターです。ソロアーティストとして高い評価を受ける傍ら、ももいろクローバーZやでんぱ組.inc、堀江由衣らに至るまで名だたる演者に先鋭的な楽曲を提供し、プロデューサーとしても別格の手腕を発揮してきました。
2017年6月に幕張メッセイベントホールで行われたラストコンサートにおいて、夫人たちが「専業主婦になります」と言い残してスパリとグループを解散させた背景には、綿密にプロットされた物語の完結がありました。場当たり的な延命を拒み、人気絶頂の中で物語を閉じる潔さこそが、清竜人25を「伝説」へと昇華させた決定打でした。
しかし、結成から10年という大きな節目を迎え、清竜人みずからが再びこの看板を掲げる決断を下しました。公式発表の場や音楽関係者への取材から浮かび上がるのは、「定型化し閉塞感が漂う現在のアイドルシーンに、純粋な音楽的陶酔と虚構の面白さをもう一度突きつけたい」という強い作り手のエゴと美学です。かつての焼き直しではなく、円熟味を増した清竜人のソングライティングと現代の精鋭パフォーマーが交差したことで、2026年の復活劇は必然の熱量を帯びてシーンを揺るがすことになりました。