真夏の連日連夜に及ぶロケ撮影は、キャストたちの体力を限界まで削り取った。仮面ライダーファムのアクションシーンでは、スーツアクターとの息の合った連携が不可欠だった。加藤夏希自身も殺陣の基礎を叩き込まれ、細身の体で重厚なプロテクターと大剣型武器(ウイングスラッシャー)を扱うハードな撮影に挑んだ。
「とにかくマントが重くて、風に煽られると身体ごと持っていかれそうになった」と後年語られたエピソードは有名だ。しかし、彼女が見せた一切の妥協を許さないプロ意識と、命を削るようなバトルシーンの迫力は、現場のスタッフ全員を驚嘆させた。単なる話題作りのタレント起用ではなく、一人の本格派女優として画面に存在感を示したことが、本作を不朽の名作たらしめた要因である。