クマ吉が引き起こす事件は、殺人や強盗といった凶悪犯罪ではありません。その大半は、クラスメイトの所持品に対する異常な執着から生じる校内秩序の侵害です。うさみちゃんの体操着、ニャン美ちゃんのリコーダー、ペンバートン先生の私物など、ターゲットとなる品々は常にフェティシズムの対象であり、犯行手口は驚くほど短絡的かつ稚拙です。
彼が毎回答捕される決定的な要因は、証拠隠滅の甘さと「状況証拠の圧倒的な黒さ」にあります。リコーダーを口にくわえたまま教室の隅に佇んでいたり、体操着を頭から被った状態で発見されたりと、現場に居合わせた誰もが犯人と確信せざるを得ない状況で物語が始まります。それでもなお、クマ吉は一切の罪を認めず、即興で生み出した不条理な詭弁でその場を切り抜けようと試みます。
「落ちていたから拾っただけ」「風が吹いて自然に装着された」といったクマ吉の言い訳集に見られる自己弁護は、論理的な整合性を完全に欠いており、周囲の不信感をさらに増幅させます。結果として、弁明すればするほど自ら外堀を埋めていき、最終的には現行犯逮捕という抗えない結末へ一直線になだれ込むのが定番の黄金パターンです。