ネット検索で「さいか屋藤沢店」と入力するとサジェストに現れる「閉店の噂」。この噂が拡散した最大の契機は、2026年に報じられた横須賀本店の閉館・移転再編ニュースと、同時期に藤沢店で進められた大規模な売り場改装にありました。百貨店業界全体の再編や地方店の撤退が相次ぐ中、「藤沢のさいか屋もいよいよ危ないのではないか」という不安が利用者の間で広がった経緯があります。
しかし、運営元の株式会社さいか屋が発表した経営構造改革の資料や決算説明会データを検証すると、実態は「撤退」ではなく「百貨店から地域共生型複合商業施設への大転換」であったことが分かります。健康食品大手のAFC-HDアライブライフホールディングスとの資本業務提携を通じ、旧来のアパレル依存型ビジネスから脱却。集客力の高いテナントを積極的に誘致するSC(ショッピングセンター)型運営へと舵を切りました。
現場を訪れると、老朽化を感じさせない清潔感のある動線が整えられ、平日の昼下がりでもデパ地下や上層階の家電フロアには幅広い年代の買い物客が行き交っています。創業1872年の伝統を受け継ぎながら、時代に合わせた柔軟なリブランディングによって、現在も湘南エリアの生活インフラとして確固たるポジションを維持しています。