世界に目を向けると、苦痛からの解放を個人の権利として認める法制度を整えた国々が存在します。世界で初めて2001年に安楽死法を成立させたオランダを皮切りに、ベルギー、カナダ、オーストラリアの一部州、スペイン、ニュージーランドなどで積極的安楽死や医師幇助自殺(PAS: Physician-Assisted Suicide)が法制化されています。
中でも特異な存在がスイスです。スイスでは「利己的な動機がない限り、自殺の幇助は不可罰」とする刑法115条の規定を根拠に、非営利団体(ライフサークル、エグジット、ディグニタスなど)が自国民だけでなく国外からの渡航者に対しても医師幇助自殺(自殺幇助)を提供しています。
ドキュメンタリー番組等で報じられた日本人女性の事例では、難病によって全身の自由を失う恐怖と尊厳の維持を天秤にかけ、家族の同行のもとスイスの地で最期を迎えました。手記や関係者の証言によると、「日本で合法化されていれば、愛着ある自宅のベッドで家族に囲まれながら最期を迎えられたはずなのに」という切痛な告白が残されています。