アメリカ政府にとって、エル・メンチョは国家安全保障上の最優先標的であり続けています。米麻薬取締局(DEA)は彼の逮捕につながる有力情報に対して最大1,000万ドル(日本円換算で約15億円超)という破格の懸賞金を設定。これはかつての「麻薬王」ホアキン・“エル・チャポ”・グスマンに匹敵する最高ランクの報奨額です。
エル・メンチョ率いるCJNGがここまで警戒される最大の理由は、その圧倒的な軍事力と残虐性にあります。従来のカルテルがピストルや自動小銃を主力としていたのに対し、CJNGは以下のような準軍事組織化をいち早く完了させました。
- 兵器の高度化:対空機関銃、ロケットランチャー(RPG)、装甲車(通称:モンスター)の配備
- ドローン爆撃の実戦投入:商業用ドローンにC4爆薬や手榴弾を括り付け、敵対勢力や連邦警察を空から急襲する戦術の標準化
- 地雷・即席爆発装置(IED):ミチョアカン州やハリスコ州の農道に地雷を埋設し、治安部隊の装甲車両を行動不能に追い込むゲリラ戦法
アメリカ国内で年間数万人もの過剰摂取死を引き起こしている合成オピオイド「フェンタニル」の密輸ルートを巡り、ワシントンからの政治的圧力は極限に達しています。米連邦捜査局(FBI)や財務省外国資産管理局(OFAC)もCJNGのフロント企業や資金洗浄ネットワークを次々と制裁対象に指定しており、国際包囲網はエル・メンチョの潜伏先へと徐々に狭まっています。