彼女の歩んできた女優としての軌跡を振り返る上で、NHKが誇る数々の名作ヒューマンドラマや重厚な時代劇の存在は外せない。向田邦子原作の傑作『阿修羅のごとく』で見せた繊細かつ人間味あふれる演技は、今なお多くのドラマファンの記憶に深く刻まれている。
さらに、大河ドラマ『八重の桜』などで見せた芯の通った母親像や時代を生き抜く女性の佇まいは、作品全体に確かな重厚感をもたらした。時代の空気感を自然体に纏いながら、登場人物の感情の微細な揺れを表現する圧倒的なリアリティ。彼女が画面に映るだけで物語が温かく動き出す感覚を、誰もが一度は覚えたことがあるはずだ。