彼女の劇的な変貌を決定づけたのが、作詞家・阿久悠と作曲家・都倉俊一という不世出の黄金コンビである。阿久悠は従来の歌謡曲における受動的な女性像を覆し、「ウララ、ウララ」という呪術的とも言えるフレーズを通じて、攻めの姿勢を崩さない強烈な主人公像を立ち上げた。そこに都倉俊一の手によるダイナミックなブラスセクションと重厚なグルーヴが融合し、唯一無二のキラーチューンが次々と誕生することになる。
その頂点として結実した名曲「狙いうち」は、日本レコード大賞をはじめとする数々の栄冠を手繰り寄せただけでなく、高校野球の応援歌やスポーツシーンの定番アンセムとして半世紀以上にわたり日本中で愛唱され続けている。阿久・都倉の構築した音世界は、彼女の強烈な身体性と結びつくことで、時代を超越する生命力を獲得した。