広大な美祢市で満足度の高い昼食に出会うためには、まず市内を「秋吉台・秋芳洞エリア」「美東エリア」「別府弁天池・於福エリア」の3大拠点に分けて捉える必要があります。移動距離がそれぞれ車で15分から25分程度離れているため、観光ルートとの連動が不可欠です。
カルスト台地を望む絶景ドライブを楽しんだ後に立ち寄るべきは、美祢の豊かな自然の恵みをダイレクトに活かした専門性の高い飲食店です。秋芳洞の商店街通りからカルストロード沿い、さらには別府弁天池の境内周辺に至るまで、観光客向けの派手な看板に隠れた実力派が存在します。
秋吉台観光の拠点となる秋芳洞バスターミナル周辺では、観光会館に併設された老舗や地元食材にこだわる食事処が軒を連ねます。特に秋芳洞入口付近の「安富屋」では、美東ごぼうを贅沢に麺に練り込んだ「ごぼううどん」や、ごぼうチップスが山盛りに盛られた「ごぼう麺」が定番として定着しています。観光地の大型店舗でありながら、出汁のクオリティとごぼうの風味に対する妥協のない姿勢は、長年多くのリピーターを惹きつける理由となっています。
一方、日本名水百選に選定されている別府弁天池エリアへ足を延ばすと、食の風景は一変します。池から湧き出る毎秒約0.186立方メートル、水温約14度の清冽な冷水を利用して養殖されるニジマス(別府ます)が主役に躍り出ます。境内近くの「弁天会館」や周辺の養鱒場直営店では、釣り上げたばかりの新鮮なニジマスをその場で塩焼きや背ごし(刺身)、フライとして定食仕立てで堪能できます。カルシウムとミネラルを豊富に含んだ名水で育つ魚肉介は川魚特有の泥臭さが一切なく、ふっくらとした身の甘みと上品な脂の乗りが際立ちます。