長期間の苦しみから快方に向かった当事者の手記や闘病記を精査すると、そこには驚くほど共通した「転換点」が存在します。20代半ばで発症し実に20年もの間、会陰部の不快感と闘い続けた患者の告白録や、複数の泌尿器科を巡り歩いた末に症状を克服した記録がWeb上でも注目を集めています。彼らが口を揃えるのは、「薬を飲めば数日でスカッと消える魔法の特効薬など存在しなかった」という冷徹な事実です。
多くの患者が快方へ向かう最大の契機としているのが、「前立腺そのものの細菌退治」への執着を捨てた瞬間です。発熱を伴う急性細菌性前立腺炎とは異なり、慢性前立腺炎の9割以上は非細菌性、あるいは骨盤周りの過度な筋緊張と自律神経失調が引き起こす機能異常であることが判明しています。
ある完治者は手記の中で、発症初期の2週間だけクラビットなどのニューキノロン系抗菌薬を服用したものの効果が頭打ちになり、そこから生活習慣の抜本的改革と血流改善へと治療方針を転換したプロセスを克明に記録しています。痛みの発生源を「前立腺の細菌」から「骨盤底の血流不全と筋膜のコリ」へと捉え直したことこそが、回復への第一歩となっています。