なぜ堀川くんやノリスケの言動は、これほどまでにSNSで「サイコパス」としてバズるのでしょうか。そこには昭和から平成、そして現代へと続く「コミュニケーション規範の変化」が深く関係しています。
昭和の高度経済成長期から昭和末期にかけては、地域のコミュニティにおいて「少し変わった隣人」や「厚かましい親戚」は当たり前に存在する風景でした。プライベートの境界線が緩やかだった時代、彼らの行動は「困った人」「おかしな奴」として許容され、笑い話として消化されていたのです。
しかし、個人主義が浸透し心理的バウンダリー(境界線)の尊厳が重視される現代社会において、他人のテリトリーへ無断で踏み込む行為は強い不審感や恐怖の対象へと転換しました。かつての下町の人情劇が、コンプライアンスとパーソナルスペースを重視する現代の解釈フィルターを通すことで、「ホラーでありサイコパス」という現代的なミステリーへ変貌を遂げたのです。