自民党総裁選決選投票における石破陣営の勝因は、単なる政策の一致ではなく「高市包囲網」の電撃的な結成にありました。第1回投票での国会議員票の内訳は、高市氏が72票、石破氏が46票、小泉進次郎氏が75票。議員票だけで見れば石破氏は3位に沈んでおり、極めて劣勢な立場に立たされていたのです。
しかし、決選投票の結果は石破氏189票、高市氏173票。石破氏はわずか数時間の間に、実に143票もの議員票を上積みしました。この急激な票の地滑りを生み出した原動力こそ、キングメーカーたちの冷徹な損益計算でした。党員票で根強い人気を持つ石破氏を担ぐことで「選挙の顔」を確保したい若手・中堅議員の危機感と、高市氏の勝利による麻生主導権の復活を阻止したい旧執行部側の利害が、土壇場で完全に一致した瞬間でした。