インターネット上で定期的に拡散される「鎌倉高校前駅の踏切が全面撮影禁止になった」という情報は、結論から言えば制度としての完全禁止ではありません。写真や動画の撮影そのものを一律に違法化・禁止する法的措置が敷かれているわけではなく、良識ある範囲での記念撮影は認められています。
では、なぜこのような噂が一人歩きしてしまったのか。その背景には、鎌倉市および江ノ島電鉄、警察当局が講じた「迷惑行為に対する厳格な取り締まり強化」があります。過去、踏切が遮断機を下ろしたタイミングで車道の中央に飛び出してポーズを取る観光客や、踏切内の線路敷地に足を踏み入れる危険行為が相次ぎました。これらに対し、鎌倉市は「鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例」などを通じて啓発を強め、現地への警備員配置を本格化させました。
現在現場で適用されている具体的な行動規範は以下の通りです。これらを逸脱した場合、警備員や警察官から即座に厳重な口頭注意を受けます。
- 車道・交差点内での滞留禁止:撮影のために車道へ降りたり、車道上で立ち止まる行為の厳禁。歩行者は歩道内にとどまる必要があります。
- 線路敷地・私有地への侵入厳禁:線路内はもちろん、近隣の住宅敷地やマンションの階段等への無断立ち入りは不法侵入に該当します。
- 通学路・プライバシーへの配慮:近隣の神奈川県立鎌倉高等学校の生徒をはじめとする地域住民に対し、無断でカメラを向けたり顔が特定できる形で撮影・ネット公開する行為の禁止。
- 三脚・大型機材の長時間の占有禁止:狭い歩道上で三脚を立てて通行を妨げる行為は、歩行者安全の観点から制限されます。
つまり、「撮影が禁止された」のではなく、「安全かつ他者の権利を侵害しないマナーの徹底が強く義務付けられている」というのが現場の真実です。