「最初はただの服飾ブランドの着用モデル募集でした」。都内に住む20代の女性は、半年前の出来事を静かに振り返る。InstagramのDMを通じて届いたスカウトメッセージには、有名ファッション誌の関連企画を思わせる言葉が並んでいた。指定された都内のスタジオへ足を運ぶと、そこには親切な態度を装うスタッフが待っており、何枚もの書類へのサインを求められたという。
しかし、撮影が進むにつれて雰囲気が一変した。当初の説明にはなかった露出度の高い衣装への着替えを命じられ、難色を示すと「すでに交通費やスタジオ代がかかっている」「今キャンセルするなら数十万円の違約金が発生する」と高圧的な態度で迫られた。連絡先や実家の住所を把握されている恐怖から、逃げ出すことができなくなったと彼女は語る。
このように、従来の街頭での強引な勧誘から、SNSでの丁寧なスカウトを装う手法へのシフトが著しい。ターゲットの日常の投稿から悩みや経済状況を分析し、つけ込むような言葉で近づく心理戦が主流となっており、周囲に相談しにくい状況があらかじめ作り出されている。