「カロリーがほぼゼロのブラックコーヒーなら、血液検査や胃の検査に影響しないのではないか」という疑問は、健診現場でも頻繁に寄せられる誤解の一つです。しかし、結論から言えばブラックであっても当日の朝のコーヒー摂取はNGとされています。
その最大の要因は、コーヒー豆に含まれる強力な薬理成分であるカフェインとポリフェノール(クロロゲン酸など)の作用にあります。カフェインが体内へ吸収されると、中枢神経系を介して交感神経が急激に活性化します。これにより副腎髄質からアドレナリンやノルアドレナリンといったホルモンが分泌され、血管収縮や心拍数の上昇、さらには肝臓に蓄えられたグリコーゲンの分解が促されます。
糖分や乳脂肪分が含まれていなくても、カフェイン自体が自律神経や内分泌系を強く刺激してしまうため、安静時であるべき身体のベースラインが大きく狂ってしまいます。正確な健康状態を記録する目的で行う健康診断において、人為的に数値を乱す飲食はすべて制限の対象となるわけです。