竹野内の父親は、かつて自衛隊関係の仕事をしていたとも噂されたが、実際にはインテリア関係の仕事に従事する、非常に厳格で美意識の高い人物だったという。住まいや身の回りのものに対するこだわりは人一倍強く、そのセンスは幼少期の竹野内に多大な影響を与えた。実家での暮らしは、決して贅沢ではないものの、凛とした空気が漂っていた。
「男なら、自分で決めたことは最後までやり通せ」。これが、父が息子に課した唯一の、そして絶対の約束だった。おもちゃをねだる時も、進路を決める時も、父は決して感情的に怒鳴ることはなかった。ただ、静かに息子の目を見つめ、その覚悟を問うた。この教育方針が、後に芸能界という荒波の中で、竹野内が自己を見失わずにいられた最大の防壁となったのだ。