サブスクリプションサービスの浸透によって、世界中の音源へ一瞬でアクセスできる環境は整った。だが、音楽ファンが直面しているのは「配信停止」という不条理なリスクだ。ライセンス契約の失効やレーベルの意向により、昨日まで再生できたお気に入りのトラックが突然グレーアウトする経験は誰もが味わいたくない。
特に80年代から2000年代にかけて黄金期を迎えたJ-POPの傑作や、ライブ会場限定で手に入れた稀少な盤は、サブスクの網から漏れ落ちたままだ。物理的なディスクとして所有し、自らの手でデジタル化して持ち歩く行為は、単なるノスタルジーではなく確実な音楽体験の防衛策と言える。