世界中で水道水が安全に飲める国はわずか数カ国と言われている。世界保健機関(WHO)と国際連合児童基金(UNICEF)が共同でまとめた調査データや、最新の国連世界水発展報告書を紐解くと、事態の深刻さが浮き彫りになる。全人類の3人に1人が、いまだ安全に管理された飲み水にアクセスできていないのが実情だ。
WHO事務局長のテドロス・アダノム氏は、気候変動や急速な都市化に伴う水資源の低下に警鐘を鳴らし続けている。公衆衛生・環境科学の専門家たちも、病原体や重金属、マイクロプラスチックによる汚染リスクが世界規模で拡大していると指摘する。私たちが「安全」と呼ぶ水は、厳しいろ過工程と絶え間ない水質監視によってのみ維持されるきわめて贅沢な資源なのだ。