目を日本国内に転じると、「二番目」の山が持つ独自の難しさが浮かび上がってくる。山梨県に位置する北岳は、標高3776メートルの富士山に次ぐ日本第二の標高を誇る。しかし、多くの登山者が観光ルートとして整備された富士山を登るのに対し、北岳に挑む者には本格的な登山スキルと体力が求められる。
北岳の東側に広がる「北岳バットレス」は、標高差約600メートルの日本を代表する大岩壁だ。大正時代から昭和初期にかけて、日本のアルピニズムの先駆者たちがこの岩壁に己の命を刻み込んできた。独立峰として緩やかな斜面を持つ富士山とは異なり、北岳は連峰の中に切り立った鋭利な尾根と崖を擁する。単なる標高の数値だけでは測れない「山の厳しさ」がそこには存在する。