政府機関が公表する客観的データもまた、甘い見方を許さない。厚生労働省がまとめる毎月勤労統計調査や国民生活基礎調査を分析すると、実質賃金の低迷と世帯所得の中央値の低下がはっきりと読み取れる。
内閣府の「国民生活に関する世論調査」でも、「今後の生活が良くなる」と答えた割合は低空飛行を続けており、老後不安や教育費負担の重圧が中間層の消費を凍りつかせていた。
正規雇用と非正規雇用の壁、共働き世帯と単身世帯の所得格差、そして保有資産の有無による将来リスクの差。厚生労働省と内閣府のデータを重ね合わせることで浮き彫りになるのは、かつての平準化された社会が完全に失われ、構造的な壁によって分断された日本の姿だ。