事実を整理したい。インフルエンザ予防の決定打として長年宣伝されてきた空間除菌製品だが、生活空間において感染を明確に防ぐという科学的根拠は、2026年現在も確立されていない。消費者庁は過去、大幸薬品株式会社が販売するクレベリンの置き型製品等に対し、合理的な根拠がないとして行政処分を下した。この指摘は、関連市場全体を揺るがす出来事となった。
実験室のような密閉された静止空間において、二酸化塩素がウイルスを不活性化する実験データ自体は存在する。しかし、実際の生活空間には人の出入りがあり、空気の流れや湿度の変化が絶え間なく起きている。そうした日常環境で部屋全体のウイルスを抑制する濃度の分子を維持することは事実上不可能に近い。これが、行政や多くの研究者が突きつけた現実だ。