地井武男さんはバラエティや散歩番組で見せた柔和な人柄だけでなく、日本映画・ドラマ界に不朽の足跡を残した屈指の演技派俳優でした。
俳優座養成所の「花の15期生」(原田芳雄さん、夏八木勲さん、林隆三さんら名優揃い)としてキャリアをスタート。初期は映画『海軍特別年少兵』や日活アウトロー作品などで見せた鋭い眼光の悪役や骨太な演技で脚光を浴びました。
その名を決定づけた代表的な出演ドラマが、国民的ドラマ『北の国から』における中畑和夫役です。田中邦衛さん演じる主人公・黒板五郎の親友であり、時に厳しく、時に誰よりも温かく一家を支え続ける木材会社の社長役は、地井さんの人間味そのものが滲み出た生涯の当たり役となりました。
さらに、伝説の刑事ドラマ『太陽にほえろ!』では、ベテラン刑事「トシさん」こと井川利三警部補を好演。若手刑事たちを温かく見守る父親的な存在感を発揮し、刑事ドラマの歴史に欠かせない重鎮としての地位を確立しました。