テレビでのアイドル的人気を脱ぎ捨て、本格的な演技派としての覚醒を果たしたのが1982年公開の東映映画『鬼龍院花子の生涯』である。監督・五社英雄の強烈な美学のもと、清純派イメージを自ら打ち壊す覚悟で挑んだこの作品で、彼女は鬼龍院政五郎の養女・松恵役を熱演した。
劇中のクライマックス、鋭い眼光とともに言い放つ「なめたらいかんぜよ!」という啖呵は、観客の心に強烈な衝撃を与え、流行語として日本中に浸透。ヌードシーンや劇的な感情の吐露を泥臭く演じ切ったことで、昭和映画史の金字塔にその名を刻むとともに、第56回キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞など数々の賞を総なめにした。