韓国社会の根底にある集団意識と、成人男性に課される徴兵制度もこの潮流を強力に後押しした。約1年半に及ぶ軍隊生活では、集団での風呂や宿舎での生活が日常だ。周囲と異なる身体的特徴を持つことへの心理的抵抗感や、集団内での孤立を恐れる心理が、入隊前に処置を終わらせる強力なインセンティブとなった。
同調圧力が強く働く環境下において、「周囲と横並びであること」は自己防衛の手引きでもあった。集団の一体感を損なわず、余計な摩擦を回避する生活の知恵としても機能していた側面は見逃せない。過酷な訓練環境下での衛生維持という実利も重なり、青春期の手術は当然のプロセスと看做されてきた。