実際に導入した施主の体験談やブログを丹念に追うと、デザインの美しさに魅了されながらも、実用面や契約プロセスで苦杯を舐めたリアルなデメリットが浮かび上がってきます。
最も多く報告されているのが、見積もり価格帯の急上昇による予算オーバーです。ハウスメーカー提携のパッケージプラン(ベーシックプラン)は200万円前後に設定されていることが多いものの、框(かまち)扉への変更、海外製食洗機(ミーレやボッシュ)のビルトイン、天板のグレードアップ、バックセットの大型化などを重ねるうちに、総額が350万〜500万円超へと膨れ上がります。契約後に「ここまでの金額になるとは思わなかった」と頭を抱える施主ブログは後を絶ちません。
また、オーダーキッチンの納期管理のシビアさもトラブルの原因になります。完全受注生産に近い体制をとるため、発注から納品まで2〜3ヶ月以上のリードタイムを要します。着工後の間取り変更や配管位置の変更が効きにくく、工務店側の現場監督との連携が不足すると、工期の遅延や施工手戻りといった深刻なトラブルに発展するリスクを孕んでいます。
日々の使い勝手においては、シンクの継ぎ目や水栓まわりの水垢、引き出し内部の収納パーツの自由度について「国内大手メーカーの至れり尽くせりな便利機能に比べると、引き算の美学ゆえに大雑把に感じる」という声も聞かれます。機能性を極限まで追求した「使いやすさ優先」のキッチンを求める層にとって、海外思想に近い設計思想はデメリットになり得ます。