こうした「霞ヶ関離れ」に危機感を抱いた政府は、人事院を中心とした制度改革に乗り出している。各省庁で展開される働き方改革推進プロジェクトでは、登庁管理のデジタル化や国会答弁作成のIT化、在宅勤務制度の拡充が打ち出されてきた。実際、一部の省庁ではペーパーレス化が進み、深夜の無駄な待機時間が削減されるなど、確かな変化も芽生え始めている。
だが、現場の官僚からは「掛け声と実態の乖離」を指摘する声も根強い。国会審議に伴う質問通告の遅れは、一省庁の努力だけでは解決できない構造的問題だからだ。前日深夜に届く質問に対応するため、朝方まで省内に留まる伝統的なスタイルは完全には払拭されていない。制度上の残業上限が設定されたことで、かえって「サービス残業」や「持ち帰り残業」が潜在化しているという深刻な懸念も浮上している。