『クローズ』の物語を通じて、坊屋春道の戦歴まとめを振り返ると、その戦績は驚異的というほかありません。転校初日に鈴蘭を牛耳りかけていた阪東一派の幹部を瞬殺したことを皮切りに、鳳仙学園の美藤竜也、スネイク・ヘッズの陣内公平、そして日本不良界最強と恐れられた九頭神竜男に至るまで、名だたる猛者たちをことごとくタイマンでマットに沈めてきました。
その中で唯一、春道が明確に敗北を喫した相手が「鈴蘭史上最強の男」と称されるリンダマン(林田恵)です。ファンの間で語り草となっている坊屋春道とリンダマンの勝敗には、2つの決定的な局面が存在します。
第1戦は、ガードレールをへし折るほどの壮絶な乱闘の末、両者同時に最後の一撃を叩き込みダブルノックアウトの引き分け。そしてリンダマンの卒業直前に行われた第2戦では、死力を尽くした肉弾戦の末、紙一重の差で春道が意識を失い、リンダマンが辛うじて立ち上がるという結末を迎えました。公式設定や作者の描写からも、この勝敗は実力の絶対的な上下関係を示すものではなく、「生涯に一度あるかないかの極限の僅差」であったことが明かされています。
そして春道の強さを決定づけたのが、萬侍帝国九頭神會の頭であり「日本最強の不良」と呼ばれた九頭神竜男との死闘です。暴力の化身として恐れられた竜男に対し、春道は真っ向勝負で打ち勝ち、「最高の男」という称号を不動のものにしました。