現場で働く当事者たちの声を取材手記やコミュニティの告白から紐解くと、社会的な承認と待遇の不一致に苦しむ切実な実態が浮かび上がります。
介護施設に勤務する30代男性は、メディアの取材に対し次のように吐露しています。
「日々の排泄介助や認知症ケアなど、利用者の命に直結する重労働を担っています。しかし、手取りは20万円前後。世間からは『尊い仕事』と美辞麗句で称賛されますが、本当に欲しいのは言葉ではなく、家族を養える正当な対価です」
また、都内の工事現場で働く40代の土木作業員は、「元請けの大手ゼネコンが莫大な利益を上げる一方で、三次請け、四次請けの末端作業員に回ってくる日当は数年前とほとんど変わらない」と、エッセンシャルワーカーの年収格差を生み出すゼネコン業界の中抜き構造を強く告発しています。
人々の日常生活を一瞬たりとも止めることができないインフラ従事者が、経済的に最も困窮するという不条理。これが「底辺職」という蔑称を生み出してしまう社会的な土壌となっているのです。