水前寺清子の軌跡を語る上で、名作詞家・星野哲郎との出会いは外せない。1964年、日本クラウンの旗揚げとともにデビューした彼女に、星野は魂を揺さぶる楽曲の数々を授けた。
その筆頭が、言わずと知れた国民的応援歌『三百六十五歩のマーチ』である。「ワン・ツー、ワン・ツー」という軽快な掛け声と前向きな歌詞は、高度経済成長期の日本に希望を灯した。演歌と歌謡曲の垣根を軽やかに飛び越え、老若男女の心を掴んだ名曲は、半世紀以上が過ぎた今も色あせない。彼女はこの曲を歌うたび、恩師への深い感謝を噛みしめているという。