救急外来の料金が高く感じられるのは、単に加算のせいだけではない。その背景には日本の救急医療が抱える構造的な問題がある。日本救急医学会の調査データによると、救急外来を受診する患者の約6〜7割が軽症であり、入院を必要としないケースが大半を占めるという。こうした軽症患者の集中が、救急医療機関の運営コストを押し上げ、結果として加算制度に反映されている側面がある。
24時間365日、医師や看護師を常駐させるためには莫大な固定費がかかる。日本医師会の試算では、中小規模の救急病院が夜間救急を維持するだけで年間数千万円規模の赤字を抱えるケースも報告されている。つまり救急外来の料金の高さは、「使う人だけが負担する応益的な仕組み」として設計されているのだ。
さらに2026年から2026年にかけて、診療報酬改定で救急医療管理加算や夜間休日加算の見直しが段階的に行われ、軽症患者の安易な受診を抑制する方向性が強まっている。厚生労働省の公式発表資料によると、2026年度改定では「救急外来の適正受診を促す観点から、夜間・休日の加算体系を整理する」との方針が明記された。これは救急外来の料金体系が今後さらに変動する可能性を示唆している。