構造を理解したところで、用途に応じた5つの実践テクニックを整理します。日本料理やイタリアンの現場で重宝されているプロが教えるトマトの包丁術を取り入れれば、毎日の料理の手際が格段に向上します。
1. くし形切り(基本の8等分・12等分)
サラダや冷やし中華の定番であるくし形切りは、最も果汁流出を防ぎやすい形状です。くし形切り崩れないコツは、ヘタをくり抜いた後、底面の放射状の筋を目印にして縦半分に切り、さらにその筋の上を通るように包丁を放射状に入れることです。子室が果肉の内側に閉じ込められた状態になるため、時間が経っても断面から水分が垂れず、角がピンと立った美しい盛り付けを維持できます。
2. 輪切り(スライス)
ハンバーガーやサンドイッチ、焼きトマトに不可欠な輪切りでは、繊維に対して垂直に刃が入るため崩れやすくなります。失敗しないトマト輪切りスライス方法のポイントは、トマトを横に寝かせ、包丁の刃元から刃先全体を長く使って「引き切り」に徹することです。上から押し潰すように圧力をかけると、皮が果肉にめり込んで果汁が噴出します。パン切り包丁のような波刃ナイフを使うのも極めて有効な選択肢です。
3. カプレーゼ用の厚切りスライス
モッツァレラチーズと交互に並べるカプレーゼ用トマトの切り方では、厚みを均一な7〜8mmに揃える技術が求められます。薄すぎるとチーズのコクに負け、厚すぎると口の中で一体感が損なわれます。果実の上下をわずかに切り落として座りを安定させてからスライスすると、厚みがぶれずにプロのような仕上がりになります。
4. 乱切り
棒々鶏(バンバンジー)や炒め物、和え物に適しているのがトマトの乱切りサラダ用テクニックです。一口大に回しながら切る際、包丁を斜め45度に入れ、トマトを手前に90度ずつ回転させながらリズミカルに切り落とします。種が散らばらないよう、なるべく果肉の厚い部分を外側にして刃先を着地させるのが美しく仕上げるコツです。
5. さいの目切り(角切り・ダイスカット)
サルサソース、ブルスケッタ、ガスパチョに用いるさいの目切り角切り手順では、徹底して余分な水分を抑える必要があります。まずトマトを横半分にカットし、指先やスプーンの柄を使って軽く種をボウルにかき出してから、縦横に格子状の切れ目を入れます。このひと手間で、料理全体の味がぼやけるトラブルを完全に遮断できます。