日本体育大学が推進する一連の取り組みは、日本の高等教育におけるスポーツ分野のあり方にも大きな影響を与えている。従来の体育学部という枠組みを超え、医学、工学、栄養学、心理学を横断的に統合した総合科学としての学びを提供する姿勢は、他の高等教育機関からも強い関心を集めている。
しかし、スポーツ科学の急速なデジタル化と高度化には課題も存在する。高額な計測機器の導入コストや、取得した膨大なパーソナルデータの管理、さらにはデータ依存による選手の主体的判断力の低下といった懸念だ。大学側は、テクノロジーを使いこなす知識だけでなく、アスリートとしての倫理観や人間性を高める教育カリキュラムの充実を図ることで、これらの課題に正面から向き合おうとしている。