近年のサンリオを語る上で欠かせない最大のトピックが、クロミの劇的な人気急上昇です。2005年にテレビアニメ『おねがいマイメロディ』でマイメロディのライバル役として初登場したクロミは、当初はコアなファン向けのポジションでした。しかし、ここ数年で世界的なトレンドセッターへと大化けしました。
この現象の背景には、現代の若者心理とソーシャルメディアの構造変化が存在します。心理学の視点から分析すると、従来の「清純で完璧な優等生キャラクター」に対し、クロミは「乱暴に見えて実は乙女チック」「失敗しても立ち上がる泥臭さ」「自分の好きを貫く姿勢」という【不完全さの魅力(Pratfall Effect)】を完璧に体現しています。
公式が2026年から展開した「#世界クロミ化計画(KUROMIES)」プロジェクトでは、「誰もが自分史上最高の自分を目指していい」という自己肯定感のメッセージを発信。これが国内外のZ世代の共感を呼び、地雷系・Y2Kファッションのアイコンとして定着しました。海外の取材データでも、欧米や韓国、中国においてクロミの支持率はハローキティに匹敵する水準に達しており、単なるサブキャラクターからグローバルIPへと進化を遂げています。
一方で、絶対王者シナモロールのプロフィール詳細を紐解くと、クロミとは対極にある「無償の癒やし」の構造が見えてきます。シナモロール(本名:シナモン)は、2001年3月6日生まれ、遠いお空の雲の上で生まれた白いこいぬの男のコです。シッポがまるでシナモンロールのようにくるくる巻いていることから名付けられました。「カフェ・シナモン」の看板犬として活躍し、特技は大きな耳をパタパタさせて空を飛ぶこと。その完璧な愛らしさと、男の子キャラクターとしての健気な一面が、過密なストレス社会を生きる大人たちの「心のオアシス」として機能しています。