陸上トラックが存在しないサッカー専用スタジアムの美しさは、足を踏み入れた瞬間に理解できる。傾斜角最大35度に設計されたスタンドは、観客の視線を一直線にピッチへと向かわせる。見下ろすようなアングルから繰り広げられる激しい攻防は、テレビ画面越しでは絶対に味わえない立体感とスピード感を生み出している。
「一度ここで観戦すると、トラック付きのスタジアムには戻れない」。長年ガンバ大阪を追い続けるサポーターが口をそろえる通り、視界を遮るもののない純粋なフットボール空間は、開場から10年が経過した今も色あせることがない。雨天時でも全体の約95%の座席が屋根に覆われる構造も、観客の快適性を第一に考えた設計の賜物だ。