1970年代半ば、TBSテレビで放送が始まった『クイズダービー』は、最高視聴率40%超を記録するおばけ番組となった。この番組の成功には、従来のクイズ番組にはなかった画期的な仕掛けが存在する。解答者の正答率に合わせて競馬のオッズ形式を取り入れ、出場者が賭けるという斬新なシステムだ。「倍率ドン!さらに倍!」という名フレーズは、日本中で流行語となった。
巨泉は単なる進行役に留まらず、ゲームのテンポと緊張感を完璧にコントロールしていた。解答者の得意・不得意を把握し、賭け手となる一般出場者の心理を巧みに揺さぶる。番組全体の空気を作り出すその圧倒的なプロデュース能力こそが、長年にわたり愛された最大のヒットの法則だった。